皆さん、こんにちは!簿記の世界の冒険へようこそ! めたん先生です。
今回は、売上原価の算定について学んでいきましょう。売上原価とは、販売した商品の仕入れ値のことです。売上原価を正しく計算することで、会社の利益を正確に把握することができます。
この講義では、以下の3つの項目について説明します。
- 売上原価の算定を理解するための前提知識:売上原価の計算に必要な知識と、決算整理の必要性について学びます。
- 商品の決算の具体的な処理:売上原価を計算し、期末在庫を資産計上するための決算整理仕訳について学びます。
- 売上原価を「売上原価」勘定で算定する方法:少し特殊な売上原価の計算方法について紹介します。
これらの知識を身につけることで、売上原価の算定方法を理解し、決算整理を適切に行えるようになるでしょう。さあ、一緒に簿記の旅を続けましょう!
売上原価の算定を理解するための前提知識
売上原価って、商品を売った値段のことなのだ? それとも、商品を仕入れた値段のことなのだ?
売上原価とは、販売した商品の仕入れ値のことです。例えば、100円で仕入れたお菓子を120円で売った場合、売上原価は100円になります。
なるほどね。売上原価は、商品を売るためにかかったコストってことか。でも、なんで売上原価を計算する必要があるのかな? 売上から費用を引けば、利益が分かるんじゃない?
確かに、売上から費用を引けば利益は分かりますが、費用の中には、販売した商品に関係ない費用も含まれている場合があります。例えば、家賃や給料などは、商品を売る以外にも必要な費用ですよね。これらの費用を差し引いてしまうと、商品を売ることでいくら儲かったのかが分からなくなってしまいます。そこで、売上原価を計算することで、商品売買による利益を正確に把握することができるんです。
決算整理手続きの必要性
期中取引において、商品の仕入は仕入勘定で、商品の売上は売上勘定で処理していましたね。
しかし、
- 損益計算書には、売上原価という科目で費用を計上する必要があります
- 貸借対照表には、期末に残っている商品(期末在庫)を資産として計上する必要があります
これらの処理は、期中取引の仕訳だけではできません。そこで、決算整理仕訳が必要になるのです。
売上原価の算定式
売上原価は、以下の式で計算できます。
売上原価 = 当期商品仕入高 + 期首商品棚卸高 - 期末商品棚卸高
- 当期商品仕入高:当期に仕入れた商品の金額の合計です。
- 期首商品棚卸高:期首時点での在庫の金額です。
- 期末商品棚卸高:期末時点での在庫の金額です。
商品の決算の具体的な処理
売上原価の計算式は分かったけど、具体的にどんな仕訳をするのかな?
決算整理仕訳では、仕入勘定の残高を売上原価に修正し、期末在庫を繰越商品勘定で資産計上します。少し複雑ですが、落ち着いて一つずつ見ていきましょう。
仕入勘定の修正と期末在庫の資産計上…。なんだか難しそうなのだ…。ボクには理解できるか不安なのだ…。
大丈夫です、ずんだもんさん。具体例を使って、丁寧に説明していきますね。
例えば、ある会社が、
- 期首商品棚卸高:100円(1個)
- 当期の仕入:500円(5個)
- 当期の売上:600円(4個)
- 期末商品棚卸高:200円(2個)
だったとしましょう。
決算整理仕訳
上記の場合、決算整理仕訳は以下のようになります。
(借) 仕入 100 (貸) 繰越商品 100
(借) 繰越商品 200 (貸) 仕入 200
1つ目の仕訳は、期首在庫を仕入勘定に振り替えるための仕訳です。
2つ目の仕訳は、期末在庫を繰越商品勘定に振り替えるための仕訳です。
これらの仕訳により、
- 仕入勘定の残高が売上原価となります。
- 繰越商品勘定の残高が期末在庫となります。
決算整理仕訳の考え方
決算整理前の仕入勘定と繰越商品勘定は、以下のようになっています。
仕入 | |
借方 | 貸方 |
500 |
繰越商品 | |
借方 | 貸方 |
100(期首商品棚卸高) |
決算整理仕訳を行うことで、これらの勘定を以下のように修正します。
仕入 | |
借方 | 貸方 |
500 | 200(期末商品棚卸高) |
100(期首商品棚卸高) | |
400(売上原価) |
繰越商品 | |
借方 | 貸方 |
100 | 100(期首商品棚卸高) |
200(期末商品棚卸高) | |
200(期末商品棚卸高) |
- 仕入勘定:期首商品棚卸高(100円)を加算し、期末商品棚卸高(200円)を減算することで、売上原価(400円)を計算します。
- 繰越商品勘定:期首商品棚卸高(100円)を減算し、期末商品棚卸高(200円)を加算することで、期末在庫(200円)を計算します。
財務諸表への影響
決算整理後の残高試算表から、貸借対照表と損益計算書を作成します。
- 損益計算書:売上原価を費用として計上します。
- 貸借対照表:商品(期末商品棚卸高)を資産として計上します。
仕訳例
上記と同じ取引内容で、当期の売上が600円だった場合の財務諸表は、以下のようになります。
貸借対照表 | |||
借方 | 貸方 | ||
商品 | 200 |
損益計算書 | |||
借方 | 貸方 | ||
売上原価 | 400 | 売上 | 600 |
当期純利益 | 200 |
売上原価を「売上原価」勘定で算定する方法
先生、仕入勘定の残高が売上原価になるって、ちょっと紛らわしいよね。他に方法は無いかな?
そうですね、つむぎさん。売上原価勘定を使って売上原価を計算する方法もあります。この方法では、仕入勘定の残高をいったん売上原価勘定に振り替え、その後、期首在庫と期末在庫の調整を行います。勘定科目名と金額の意味が一致するので、分かりやすいと感じる人もいるかもしれませんね。
売上原価勘定を使う方法もあるのだね。でも、簿記の試験では、どっちの方法を使えばいいのだ?
簿記3級の試験では、基本的に仕入勘定を使って売上原価を計算する方法が出題されます。売上原価勘定を使う方法は、あまり一般的ではないので、頭の片隅に入れておく程度で大丈夫です。
まとめ
今回は、売上原価の算定と商品の決算整理について学びました。
- 売上原価は、販売した商品の仕入れ値のことです。
- 売上原価を正しく計算することで、商品売買による利益を正確に把握できます。
- 売上原価は、当期商品仕入高 + 期首商品棚卸高 – 期末商品棚卸高で計算できます。
- 決算整理仕訳では、仕入勘定の残高を売上原価に修正し、期末在庫を繰越商品勘定で資産計上します。
- 売上原価を売上原価勘定で計算する方法もありますが、簿記3級の試験ではあまり出題されません。
売上原価の算定は、決算手続きの中でも特に重要な部分の一つです。しっかりと理解し、問題を解く練習を重ねていきましょう。
売上原価の計算、最初は難しかったけど、先生の説明でだいぶ理解できたよ! 特に、在庫の増減が売上原価に影響するってところが、パズルのピースをはめるみたいで面白かったな。でも、先生、売上原価の計算って、例えるなら、宝探しの地図を読むみたいなものかな? 地図(売上原価の計算式)を正しく読むことで、宝(正しい利益)への道筋を見つけられる、みたいな。
確かに、宝探しの地図を読むのに似ているのだ! ボクも、宝の地図を手に入れて、美味しいずんだ餅を見つけ出すのだ!
二人とも、素晴らしい例えですね! 複雑な計算を乗り越えて、正しい利益という宝物を手に入れることができるんです。… 例えば、売上原価の計算は、まるで魔法の薬を作るようなもの。材料(期首在庫、仕入、期末在庫)を適切な分量で混ぜ合わせることで、強力な効果(正しい利益の把握)を持つ薬が出来上がるんです。
めたん先生には、もう少し面白いたとえができるようになる魔法の薬が必要かもねw
(薬を飲んだところでなのだ・・w)
… えっと、そうですね、とにかく、売上原価の計算は、正しい利益を把握するための大切なステップですね! それでは、今日はこの辺で終わりにしましょう。次回も一緒に簿記の冒険を続けましょう!
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Twitterで投稿するには約90文字に要約する必要があり、重要論点のアウトプットを行うことでより記憶に残りやすくなります。
要約ついでにこのサイトも紹介してくれると嬉しいな!
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