皆さん、こんにちは!簿記の世界へようこそ! めたん先生です。
今回は、給料に関連する取引を学んでいきます。従業員に支払う給料の会計処理はもちろん、立替金や預り金、そして源泉徴収といった少し複雑な取引についても詳しく見ていきましょう。
この講義では、以下の3つの項目について説明します。
- 立替金・預り金:一時的に立て替えたり、預かったりするお金の処理について学びます。
- 所得税と源泉徴収制度:給料から天引きされる所得税と、会社が代わりに納付する源泉徴収制度について理解を深めます。
- 社会保険料:給料から天引きされる社会保険料と、会社が負担する社会保険料の処理について学びます。
これらの知識を身につけることで、給料計算の仕組みを理解し、正確な会計処理ができるようになるでしょう。さあ、一緒に簿記の旅を続けましょう!
立替金・預り金
立替金や預り金って、何のことなのだ? どちらも一時的にお金を預かったり、立て替えたりすることなのだ?
その通りです。立替金と預り金は、どちらも一時的にお金を預かる、または立て替える取引ですが、お金の流れが逆になります。立替金は、会社が立て替えたお金を後で受け取る権利を表し、預り金は、預かったお金を後で返す義務を表します。
なるほどね。立替金は資産、預り金は負債になるんだね。でも、どんな時に立替金や預り金が発生するのかな?
例えば、従業員が出張に行く際に、交通費を会社が立て替えて支払う場合があります。これが立替金ですね。また、顧客から商品代金の一部を前もって預かる場合がありますが、これが預り金に当たります。
会計処理
立替金の会計処理
立替金は、資産として扱います。
立替時
- 会社が従業員などのために一時的にお金を立て替えた場合、立替金勘定を借方に記入します。
- 立替払いに使った現金勘定などを貸方に記入します。
回収時
- 立替金(従業員への貸付金など)を回収した場合、現金勘定などを借方に記入します。
- 同時に、立替金勘定を貸方に記入します。
仕訳例
- 当社は従業員が負担すべき生命保険料100円について、現金で支払った。
(借) 従業員立替金 100 (貸) 現金 100
- 従業員に給料10,000円を支給するに際して、上記の立替額100円を控除した残額9,900円を現金で支払った。
(借) 給料 10,000 (貸) 従業員立替金 100
(貸) 現金 9,900
預り金の会計処理
預り金は、負債として扱います。
預り時
- 会社が顧客などから一時的にお金を預かった場合、現金勘定などを借方に記入します。
- 同時に、預り金勘定を貸方に記入します。
返金時
- 預り金を返金した場合、預り金勘定を借方に記入します。
- 返金した現金勘定などを貸方に記入します。
仕訳例
- 当社は取引先から一時的に現金200円を預かり、金庫に保管した。
(借) 現金 200 (貸) 預り金 200
- 上記200円について、後日、取引先へ返金した。
(借) 預り金 200 (貸) 現金 200
所得税と源泉徴収制度
源泉徴収って、給料から天引きされる税金のことだよね。なんで会社が代わりに納付するのかな?
源泉徴収とは、従業員が負担する所得税などを、会社が給料から天引きして、代わりに納付する制度のことです。例えば、アルバイトをして給料を受け取る時、給料から所得税が引かれていると思いますが、あれが源泉徴収です。
なるほどなのだ。でも、なんで会社が代わりに納付するのだ? 従業員が自分で納付すればいいんじゃないのだ?
もし従業員が自分で納付するとしたら、全員が期限内にきちんと納付するかどうか、税務署は一人一人チェックしなければなりませんよね? それはとても大変な作業です。そこで、会社が代わりにまとめて納付することで、税務署の負担を軽減しているんです。
会計処理
給料の支払時(源泉徴収時)
- 給料の支払額は、源泉徴収を行っても給料総額となります。
- 源泉徴収した所得税は、所得税預り金勘定(負債)で処理します。
- 実際に従業員に支払う金額は、給料総額から源泉徴収額を差し引いた金額になります。
仕訳例
給料100,000円の支払いに際して、所得税5,000円を差し引いた残額を現金で支払った。
(借) 給料 100,000 (貸) 所得税預り金 5,000
(貸) 現金 95,000
所得税の納付時
- 源泉徴収した所得税を納付する際は、所得税預り金勘定(負債)を借方に記入します。
- 実際に納付した現金勘定などを貸方に記入します。
仕訳例
上記、所得税5,000円を現金で納付した。
(借) 所得税預り金 5,000 (貸) 現金 5,000
社会保険料
社会保険料も、給料から天引きされるのだ? なんだか、お給料がどんどん減っていくようで悲しいのだ…。
社会保険料は、将来のための大切な保険料ですから、必要なものですよ、ずんだもんさん。それに、会社も従業員と同じ金額を負担してくれるので、安心してくださいね。
会社も負担してくれるんだ。それは心強いね! でも、会社が負担する社会保険料って、どうやって処理するのかな?
会計処理
給料の支払時(源泉徴収時)
- 源泉徴収した社会保険料は、社会保険料預り金勘定(負債)で処理します。
社会保険料の納付時
- 源泉徴収した社会保険料と、会社が負担する社会保険料を合わせて納付します。
- 源泉徴収した社会保険料の納付義務がなくなるので、社会保険料預り金勘定(負債)を借方に記入します。
- 会社が負担する社会保険料は、費用として法定福利費勘定を借方に記入します。
- 実際に納付した現金勘定などを貸方に記入します。
仕訳例
- 給料100,000円の支払いに際して、社会保険料5,000円を差し引いた残額を現金で支払った。
(借) 給料 100,000 (貸) 社会保険料預り金 5,000
(貸) 現金 95,000
- 上記、社会保険料について会社負担分5,000円と合わせた合計額を現金で納付した。
(借) 社会保険料預り金 5,000 (貸) 現金 10,000
(借) 法定福利費 5,000
まとめ
今回は、給料に関連する取引について学びました。
- 立替金は資産、預り金は負債として扱います。
- 源泉徴収制度では、会社が従業員に代わって所得税などを納付します。
- 社会保険料は、従業員と会社が折半して負担します。
- 給料の支払時には、給料勘定(費用)に加えて、所得税預り金や社会保険料預り金(負債)、そして現金勘定などを用いて仕訳します。
- 税金や社会保険料を納付する際には、預り金勘定を減らし、会社負担分は法定福利費勘定(費用)を使います。
これらの知識を身につけることで、給料計算の仕組みを理解し、正確な会計処理ができるようになるでしょう。
給料計算って、色々複雑なんだね。でも、先生の説明を聞いたら、だいぶ理解できたよ! 特に、源泉徴収の仕組みが、よく分かったな。でも、先生、源泉徴収って、例えるなら、お小遣いから貯金を天引きされるみたいなものかな? 自分で貯金するのが苦手な人のために、親が代わりに貯金してくれる、みたいな。
確かに、お小遣いから貯金を天引きされるのに似ているのだ! ボクも、ずんだ餅を買うためにお小遣いを貯めたいけど、ついつい使っちゃうから、誰かに代わりに貯金してもらいたいんだ!
将来のために、必要なものを確保しておく、大切な仕組みなんですね。… 例えば、源泉徴収は、まるで自動販売機。お金を入れると(給料)、飲み物が出てくる(手取り額)だけでなく、お釣り(源泉徴収額)も自動的に貯金箱(税務署)に貯まる、そんな便利な仕組みなんです。
・・・なんて?w
(いやwその例えは増税ボタンを押せば勝手に予算が増えると思っている岸d
はいはい!とにかく、源泉徴収は便利な仕組みですが、税金や社会保険料を納めることは、社会の一員としての大切な義務ですね! それでは、今日はこの辺で終わりにしましょう。次回も一緒に簿記の冒険を続けましょう!
学んだ内容を要約してみましょう
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Twitterで投稿するには約90文字に要約する必要があり、重要論点のアウトプットを行うことでより記憶に残りやすくなります。
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