【簿記3級】#11 債権債務、複雑な関係を整理!~商品売買から生まれる色々~

簿記3級
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めたん先生
めたん先生

皆さん、こんにちは!簿記の世界の旅へようこそ! めたん先生です。

前回の講義では、商品売買の基本的な取引について学びました。今回は、商品売買から生まれる様々な債権債務について、さらに理解を深めていきましょう。

この講義では、以下の4つの項目について説明します。

  1. 商品券:商品券を受け取った時、そしてそれを現金化した時の仕訳について学びます。
  2. クレジット売掛金:クレジットカードで商品を販売した時の仕訳について学びます。
  3. 手形(約束手形):約束手形を振り出したり受け取ったりした時の仕訳について学びます。
  4. 電子記録債権・債務(でんさい):電子記録債権・債務が発生したり決済された時の仕訳について学びます。

これらの知識を身につけることで、商品売買に関連する様々な取引を、会計処理で表現できるようになるでしょう。さあ、一緒に簿記の旅を続けましょう!

商品券

ずんだもん
ずんだもん

商品券って、お買い物で使える券のことですよね? 簿記でも同じように考えるのだ?

めたん先生
めたん先生

はい、ずんだもんさん。簿記でも、商品券はお買い物で使える券として扱います。例えば、デパートで買い物をした時に商品券で支払うと、デパート側は商品券を受け取りますよね。この商品券は、後で発行会社に持っていくと現金に交換できます。

つむぎ
つむぎ

なるほどね。商品券を受け取ることは、将来現金を受け取る権利を得ることと同じってことか。ということは、商品券も資産として扱うのかな?

会計処理

商品券の受取時
  • 商品券を受け取ると、将来、商品券発行会社からお金を回収する権利が生まれます。
  • この権利は資産なので、借方に記入します。
  • 勘定科目は、受取商品券を使います。
商品券の精算時(現金化)
  • 商品券を現金化した場合、現金が増えるので、現金勘定を借方に記入します。
  • 同時に、商品券発行会社からお金を回収する権利がなくなるので、受取商品券を貸方に記入します。
仕訳例

商品100円を販売し、代金は100円分の商品券を受け取った。

    (借) 受取商品券 100 (貸) 売上 100

    受け取った100円分の商品券を現金化した。

      (借) 現金 100 (貸) 受取商品券 100

      クレジット売掛金

      つむぎ
      つむぎ

      クレジットカードで支払うことも多いけど、これは簿記ではどう考えるのかな?

      めたん先生
      めたん先生

      クレジットカードでの支払いは、お店側にとっては、クレジットカード会社からお金を受け取る権利を得ることになります。この権利をクレジット売掛金と呼び、資産として扱います。

      ずんだもん
      ずんだもん

      クレジットカード会社が間に入ってくるのだね。でも、クレジットカードを使うと、お店側はお金の一部を手数料として支払わないといけないのだ?

      めたん先生
      めたん先生

      その通りです、ずんだもんさん。お店側は、クレジットカード会社に手数料を支払う必要があります。この手数料は、費用として処理します。

      会計処理

      クレジットカードの提示を受けて商品を販売した時点
      • クレジットカードで商品を販売した場合、クレジットカード会社からお金を受け取る権利であるクレジット売掛金勘定を借方に記入します。
      • ただし、クレジットカード会社からの入金は手数料を差し引かれた金額になるので、クレジット売掛金手数料控除後の金額で計上します。
      • 手数料は費用なので、支払手数料勘定を借方に記入します。
      信販会社からの代金受取時
      • 信販会社(クレジットカード会社)から代金を受け取った場合、クレジット売掛金勘定を貸方に記入します。
      仕訳例

      クレジットカードの提示を受け、商品10,000円を販売した。信販会社への手数料は販売代金の2%であり、販売時に費用を認識する。

        (借) クレジット売掛金 9,800 (貸) 売上 10,000
        
        (借) 支払手数料 200

        上記取引について、信販会社から手数料を差し引いた手取額が当社の当座預金口座に入金された。

          (借) 当座預金 9,800 (貸) クレジット売掛金 9,800

          手形(約束手形)

          ずんだもん
          ずんだもん

          手形って、どんな時に使うのだ? 小切手とは違うのだ?

          めたん先生
          めたん先生

          約束手形は、将来の特定の日にちに、お金を支払う約束を書面にしたものです。小切手はすぐに現金化できますが、約束手形は満期日にならないと現金化できません。例えば、大きな買い物をしたけれど、すぐには支払えない場合などに、約束手形を振り出すことがあります。

          つむぎ
          つむぎ

          約束手形は、いわば未来への約束手形って感じなのかな。でも、もし約束の日にちにお金が払えなかったらどうなるんだろう?

          めたん先生
          めたん先生

          それは大変なことになります。約束手形を振り出したのに、支払いができないことを不渡りと言います。不渡りを繰り返すと、銀行取引停止処分というペナルティを受ける可能性があり、会社の信用はガタ落ちです。だから、約束手形を振り出す際は、期日までにちゃんと支払えるように注意しなければなりません。

          取引の概要

          • 約束手形は、「誰が」「誰に」「いつ」「いくら払うか」という約束が記載されている証券です。
          • 振出人:手形を作成し、相手に渡す人。つまり、お金を支払う人です。
          • 受取人:手形の保有者。つまり、お金を受け取る人です。
          • 満期日:お金の支払期日のことです。

          会計処理

          約束手形の振出側(仕入側)の会計処理
          約束手形の振出時
          • 商品を仕入れ、約束手形で支払った場合、支払手形勘定(負債)を貸方に記入します。
          手形代金の支払時
          • 約束手形の満期日になり、お金を支払った場合、支払手形勘定(負債)を借方に記入します。
          • 支払いは当座預金から行われるので、当座預金勘定(資産)を貸方に記入します。
          仕訳例

          当社はB社から商品300,000円を仕入れ、代金はB社受け取り、当社振り出しの約束手形で支払った。

            (借) 仕入 300,000 (貸) 支払手形 300,000

            上記の約束手形が満期となり、当社の当座預金口座から支払った。

              (借) 支払手形 300,000 (貸) 当座預金 300,000
              約束手形の受取側(売上側)の会計処理
              約束手形の受取時
              • 商品を販売し、約束手形を受け取った場合、受取手形勘定(資産)を借方に記入します。
              手形代金の受取時
              • 約束手形の満期日になり、お金を受け取った場合、受取手形勘定(資産)を貸方に記入します。
              • 入金は当座預金口座への入金になるので、当座預金勘定(資産)を借方に記入します。
              仕訳例

              当社はA社に商品300,000円を売上げ、代金は当社受け取り、A社振り出しの約束手形を受け取った。

                (借) 受取手形 300,000 (貸) 売上 300,000

                上記の約束手形が満期となり、手形代金が当社の当座預金口座に振り込まれた。

                  (借) 当座預金 300,000 (貸) 受取手形 300,000

                  電子記録債権・債務(でんさい)

                  つむぎ
                  つむぎ

                  電子記録債権・債務って、何だか難しそうな名前だね。これは一体何なんだろう?

                  めたん先生
                  めたん先生

                  電子記録債権・債務、通称でんさいは、コンピューター上で記録・管理される債権・債務のことです。約束手形と似たような取引ですが、紙の手形ではなく、電子データとしてやり取りされます。事務手続きが楽になったり、紛失や盗難のリスクが減ったりするメリットがあるんですよ。

                  ずんだもん
                  ずんだもん

                  なるほどなのだ。約束手形をデジタル化したようなものなのだ?なんだか便利そうなのだ!

                  取引の概要

                  • 電子記録債権とは、コンピュータ上で記録・管理される債権のことです。
                  • 発生記録の請求:電子記録債権を発生させるために、債権者または債務者が取引銀行を通じて記録機関に請求を行います。
                  • 債権者請求方式:債権者側が発生記録の請求を行う方式です。債務者側の承諾が必要です。
                  • 債務者請求方式:債務者側が発生記録の請求を行う方式です。

                  会計処理

                  債権者の会計処理
                  電子記録債権の発生時
                  • 電子記録債権は、電子記録債権勘定(資産)で処理します。
                  • 売掛金を電子記録債権に切り替える場合は、売掛金勘定(資産)を減らし、電子記録債権勘定(資産)を増やします。
                  電子記録債権の回収時
                  • 電子記録債権を回収した場合は、電子記録債権勘定(資産)を減らします。
                  • 回収したお金は当座預金口座に入金されるので、当座預金勘定(資産)を増やします。
                  仕訳例

                  当社は、B社に対する売掛金3,000円について、同社の承諾を得て電子記録債権の発生記録の請求を行った。

                    (借) 電子記録債権 3,000 (貸) 売掛金 3,000

                    上記の電子記録債権3,000円について、当座預金口座に振り込まれた。

                      (借) 当座預金 3,000 (貸) 電子記録債権 3,000
                      債務者の会計処理
                      電子記録債務の発生時
                      • 電子記録債務は、電子記録債務勘定(負債)で処理します。
                      • 買掛金を電子記録債務に切り替える場合は、買掛金勘定(負債)を減らし、電子記録債務勘定(負債)を増やします。
                      電子記録債務の支払時
                      • 電子記録債務を支払った場合は、電子記録債務勘定(負債)を減らします。
                      • 支払いは当座預金から行われるので、当座預金勘定(資産)を減らします。
                      仕訳例

                      A社に対する買掛金3,000円について、発生記録の通知を受け、電子記録債務が生じた。

                        (借) 買掛金 3,000 (貸) 電子記録債務 3,000

                        上記の電子記録債務3,000円について、当座預金口座から支払った。

                          (借) 電子記録債務 3,000 (貸) 当座預金 3,000

                          まとめ

                          今回は、商品売買から生まれる様々な債権債務について学びました。

                          1. 商品券:商品券を受け取ると受取商品券勘定(資産)が増加し、現金化すると現金勘定(資産)が増加します。
                          2. クレジット売掛金:クレジットカードで商品を販売するとクレジット売掛金勘定(資産)が増加し、同時に支払手数料勘定(費用)が発生します。
                          3. 約束手形:約束手形を振り出す支払手形勘定(負債)が増加し、受け取る受取手形勘定(資産)が増加します。
                          4. 電子記録債権・債務:電子記録債権が発生すると電子記録債権勘定(資産)が増加し、電子記録債務が発生すると電子記録債務勘定(負債)が増加します。

                          これらに加えて、売掛金買掛金前払金前受金といった勘定科目を使い分けることで、様々な取引を適切に記録できるようになります。

                          つむぎ
                          つむぎ

                          商品売買から生まれる債権債務、色々な種類があって最初は難しかったけど、先生の説明でだいぶ理解できたよ! 特に、約束手形と電子記録債権・債務の違いが、よく分かったな。でも、先生、電子記録債権・債務って、もしかして未来のお金のやり取りなのかな? SF映画みたいでワクワクするね!

                          ずんだもん
                          ずんだもん

                          確かに、電子記録債権・債務は未来感があるのだ! ボクも、いつか電子記録債権・債務を使って、ずんだ餅の取引をしてみたいのだ!

                          めたん先生
                          めたん先生

                          二人とも、簿記の未来に思いを馳せていて素晴らしいですね! 簿記は、時代に合わせて進化しています。これからも一緒に、新しい知識を学び、変化に対応していきましょう! … 例えば、電子記録債権・債務は、まるでテレポーテーション。紙の手形を直接渡さなくても、瞬時にお金のやり取りができるなんて、まるで魔法みたいですよね!

                          つむぎ
                          つむぎ

                          テレポーテーションの例えは、まあ分かるけど… 先生、そのテレポーテーション、もしかしてずんだ餅も一緒に送れちゃう系?

                          ずんだもん
                          ずんだもん

                          それはすごい技術なのだ! ボクも、世界中にずんだ餅をテレポートしたいのだ!

                          めたん先生
                          めたん先生

                          … えっと、そうですね、テレポーテーションはあくまで例えですが、電子記録債権・債務は、お金のやり取りを効率化する素晴らしい技術ですね! それでは、今日はこの辺で終わりにしましょう。次回も一緒に簿記の冒険を続けましょう!

                          学んだ内容を要約してみましょう

                          また、記憶を定着させるために、学習内容をご自身の言葉で要約しTwitter等に投稿してみましょう。

                          Twitterで投稿するには約90文字に要約する必要があり、重要論点のアウトプットを行うことでより記憶に残りやすくなります。

                          めたん先生
                          めたん先生

                          要約ついでにこのサイトも紹介してくれると嬉しいな!

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