皆さん、こんにちは!簿記の世界へようこそ! めたん先生です。
今回は、株式会社と税金について学んでいきましょう。株式会社とは、多くの人からお金を集めて大きな事業を行うための会社形態のことです。また、税金は、会社が利益を上げると必ず発生するものです。
この講義では、以下の3つの項目について説明します。
- 株式会社について:株式会社の仕組みと、増資や配当といった株式会社特有の取引について学びます。
- 法人税、住民税及び事業税:会社の利益にかかる税金について、その計算方法や会計処理を学びます。
- 消費税:商品やサービスの取引にかかる消費税について、その会計処理を学びます。
これらの知識を身につけることで、株式会社の仕組みと、それに関連する税金の会計処理を理解できるようになるでしょう。さあ、一緒に簿記の旅を完結させましょう!
株式会社について
株式会社って、聞いたことはあるけど、どんな会社なのだ? 株式会社と、ボクのずんだ餅屋さんは、何が違うのだ?
良い質問ですね、ずんだもんさん。株式会社は、たくさんの人からお金を集めて、大きな事業を行う会社のことです。例えば、有名な大企業や、株式市場に上場している会社は、ほとんどが株式会社です。一方、ずんだもんさんのずんだ餅屋さんは、個人で経営しているお店ですよね。個人で経営している会社は、個人企業と呼ばれ、株式会社とは異なる形態なんです。
なるほどね。株式会社は、たくさんの人がオーナーになれる会社ってことか。でも、どうやってお金を集めるのかな?
株式会社は、株式を発行することで、株主からお金を集めます。株主は、株式会社にお金を出資する代わりに、株式という証券を受け取ります。株式は、いわば会社のオーナー権の一部のようなものです。
株式会社の概要
- 出資:株主が会社にお金を出資し、株式を受け取ります。
- 株式:株主であることを証明する証券です。
- 配当:会社の利益の一部を株主に分配することです。
- 株主総会:株主が集まって、会社の重要な事項を決定する会議です。
- 取締役会:会社の経営陣(取締役)が集まって、具体的な経営方針などを決定する会議です。
- 有限責任:株主は、出資した金額を限度として責任を負います。会社が倒産しても、株主は出資額以上の責任を負う必要はありません。
会社と株主の関係
- 株主:会社の所有者です。株主総会を通じて、会社の重要事項を決定する権利を持ちます。
- 取締役:会社の経営者です。取締役会を通じて、具体的な経営方針などを決定します。
株主と銀行(債権者)の関係
- 株主は、有限責任なので、会社が倒産しても、出資額以上の責任を負う必要はありません。
- 銀行などの債権者は、会社が倒産した場合、株主に対して借金の返済を請求することはできません。
株式会社の仕組み、なんとなく分かったよ。ところで、株式会社が設立された後に追加でお金が必要になったときはどうするのかな。銀行からお金を借りるしかない?
会社設立後も、株主から追加で出資を受けることもできます。これを増資といいます。以下で詳しく説明しますね。
増資
取引の概要
- 会社設立後に、さらに資金が必要になった場合に、増資を行うことがあります。
- 増資とは、新しい株式を発行して、株主から追加の資金を調達することです。
会計処理
増資を行うと、元手が増加します。よって会社設立時と同様に、払込金額について「資本金」勘定(資本)の増加とします。
仕訳例
当社は取締役会の決議により増資を行い、200株発行した。なお、1株当たりの払込金額は50円であり、全株式について払い込みを受けた。なお、払込金額は普通預金に預け入れた。
(借) 普通預金 10,000 (貸) 資本金 10,000
利益剰余金の配当および処分
利益剰余金の配当と処分って、何をすることなのだ? 利益を配ったり、使ったりするってことなのだ?
その通り。利益剰余金の配当とは、会社の利益の一部を株主に分配することです。処分とは、利益を会社内部に留保しておくことです。例えば、将来の事業拡大のために資金を貯めておくイメージですね。
配当は、株主へのご褒美みたいなものかな。でも、なんで利益を全部配当せずに、処分する必要があるんだろう?
それは、会社の財務基盤を強化するためです。利益を全て配当してしまうと、会社にお金が残らなくなり、いざという時に困ってしまうかもしれません。また、法律でも、一定の利益を留保しておくことが義務付けられています。
(1) 利益剰余金の配当
取引の概要
- 利益剰余金の配当とは、会社の利益の一部を株主に分配することです。
- 配当額は、決算日の翌日から3ヶ月以内に開催される定時株主総会で決定します。
- 配当金総額 = 1株当たりの配当金 × 発行済み株式総数
会計処理
利益剰余金の配当をした場合、「繰越利益剰余金」勘定(資本)が減少します。
配当の決定時
- まず、配当金の支払い義務が生じるので、未払配当金勘定(負債)を貸方に記入します。
- 同時に、繰越利益剰余金勘定(資本)を借方に記入します。
配当の支払時
- 実際に配当金を支払う際には、未払配当金勘定(負債)を借方に記入します。
- 支払いに使った現金勘定などを貸方に記入します。
仕訳例
- 定時株主総会において、利益剰余金からの配当(配当額は1株当たり10円)を決議した。なお、当社の発行済株式総数は300株である。また、利益準備金の積み立てはゼロとする。
(借) 繰越利益剰余金 3,000 (貸) 未払配当金 3,000
- 配当金3,000円を当座預金から支払った。
(借) 未払配当金 3,000 (貸) 当座預金 3,000
(2) 利益剰余金の処分(利益準備金の積立)
利益準備金とは
- 利益準備金とは、会社が計上した利益のうち、分配不能の金額(配当禁止の金額)のことをいいます。
- 会社法において、株主に配当を行うに際して、利益準備金の積み立てが義務づけられています。
- これは、過度に株主に配当が行われると会社の財務基盤が弱まり、債権者が不利益を被るおそれがあるため、それを防止する必要があるからです。
会計処理
利益準備金の積み立てを行う場合、「繰越利益剰余金」勘定(資本)から「利益準備金」勘定(資本)へ振り替えます。
仕訳例
定時株主総会において、利益剰余金の配当3,000円、利益準備金の積み立て300円を決議した。
(借) 繰越利益剰余金 3,300 (貸) 未払配当金 3,000
(貸) 利益準備金 300
利益準備金って、将来のための貯金みたいなものなんだね。会社を安定して運営していくためには、必要な仕組みなんだ。
法人税、住民税及び事業税
法人税、住民税及び事業税って、会社が払う税金のことだよね。個人で払う所得税とは違うのかな?
法人税、住民税及び事業税は、会社が支払う税金です。これらの税金は、会社の利益に対して課税されます。会社が頑張って利益を上げれば上げるほど、多くの税金を支払う必要があるんですね。法人税等の会計処理について詳しく見ていきましょう。
会計処理
法人税等の会計処理は、以下の3つのタイミングで行われます。
- 中間申告時(期中仕訳)
- 法人税等の税額確定時(決算整理仕訳)
- 確定申告時(翌期の期中仕訳)
中間申告時
中間申告とは、決算前に税金の一部を前もって納付することです。
- まだ当期の法人税等の額が確定していないので、見積額を納付します。
- 見積額は、前期の法人税等の半分や、期首から期央までの仮決算で計算した金額とすることが多いです。
- 中間申告時の仕訳では、仮払法人税等勘定(資産)を使います。
仕訳例
中間申告を行い、50円を現金で納付した。
(借) 仮払法人税等 50 (貸) 現金 50
法人税等の税額確定時(決算整理仕訳)
期末に当期の法人税等の額が確定したら、以下の仕訳を行います。
- 法人税、住民税及び事業税勘定(費用)を借方に記入します。
- 仮払法人税等勘定(資産)を貸方に記入し、取り消します。
- 未払法人税等勘定(負債)を貸方に記入します。これは、法人税等の残りの納付額を支払う義務があるためです。
仕訳例
決算整理前残高試算表において、仮払法人税等勘定の残高が50円あり、決算に際し、当期の法人税等が120円と確定した。
(借) 法人税、住民税及び事業税 120 (貸) 仮払法人税等 50
(貸) 未払法人税等 70
- 法人税、住民税及び事業税勘定:確定した法人税等の税額120円を計上します。
- 仮払法人税等勘定:中間申告時に計上した金額50円を取り消します。
- 未払法人税等勘定:残りの納付額70円(120円 – 50円)を計上します。
確定申告時
翌期に確定申告を行い、法人税等の残額を納付します。
- 未払法人税等勘定(負債)を借方に記入します。
- 支払いに使った現金勘定などを貸方に記入します。
仕訳例
確定申告を行い、未払法人税等70円を現金で納付した。
(借) 未払法人税等 70 (貸) 現金 70
消費税
消費税は、商品を買う時に払う税金だよね。会社も消費税を払うのかな?
会社も、商品を仕入れる時には消費税を支払い、商品を販売する時には消費税を受け取ります。そして、受け取った消費税から支払った消費税を差し引いた金額を、税務署に納付します。
なるほどなのだ。消費税は、預り金みたいなものなのだ? 会社が一時的に預かって、後で税務署に納付するってことだよね
(1) 取引の概要
- 消費税の納付額 = 消費税の受取額 – 消費税の支払額
(2) 会計処理
消費税の会計処理では、税抜方式を使います。これは、商品やサービスの価格を税抜き価格で仕訳する方法です。
消費税の支払時(期中仕訳)
- 仕入勘定などは、税抜き価格で計上します。
- 支払った消費税額は、仮払消費税勘定(資産)で処理します。
仕訳例
商品1,000円(税抜き)を仕入れ、消費税を含めた1,100円を現金で支払った。
(借) 仕入 1,000 (貸) 現金 1,100
(貸) 仮払消費税 100
消費税の受取時(期中仕訳)
- 売上勘定などは、税抜き価格で計上します。
- 受け取った消費税額は、仮受消費税勘定(負債)で処理します。
仕訳例
商品3,000円(税抜き)を販売し、消費税を含めた3,300円を現金で受け取った。
(借) 現金 3,300 (貸) 売上 3,000
(貸) 仮受消費税 300
消費税の納付額の確定時(決算整理仕訳)
期末になったら、仮払消費税勘定と仮受消費税勘定を相殺し、その差額を未払消費税勘定(負債)として計上します。
仕訳例
決算に際し、翌期に納付すべき消費税額を算定する。
(借) 仮受消費税 300 (貸) 仮払消費税 100
(貸) 未払消費税 200
- 仮受消費税 300円と仮払消費税 100円を相殺します。
- 差額の200円を、未払消費税勘定(負債)に計上します。
確定申告時(翌期の期中仕訳)
翌期に確定申告を行い、消費税を納付します。
- 未払消費税勘定(負債)を借方に記入します。
- 支払いに使った現金勘定などを貸方に記入します。
仕訳例
確定申告を行い、未払消費税200円を現金で納付した。
(借) 未払消費税 200 (貸) 現金 200
まとめ
今回は、株式会社の仕組みと、それに関連する税金の会計処理について学びました。
- 株式会社は、株式を発行して株主から資金を調達する会社形態です。
- 増資は、新しい株式を発行して追加の資金を調達することです。
- 利益剰余金の配当とは、会社の利益の一部を株主に分配することです。
- 利益剰余金の処分とは、利益を会社内部に留保しておくことです。
- 法人税等は、会社の利益に対して課される税金です。
- 消費税は、商品やサービスの取引に対して課される税金です。
これらの知識を身につけることで、株式会社の仕組みと、それに関連する税金の会計処理を理解できるようになるでしょう。
株式会社と税金、最初は難しく感じたけど、先生の説明でだいぶ理解できたよ! 特に、増資や配当の仕組みが、よく分かったな。でも、先生、株式会社って、例えるなら、大きな船みたいなものかな? たくさんの株主を乗せて、大海原(ビジネスの世界)を航海していく、みたいな。
確かに、大きな船みたいなのだ! ボクも、いつか株式会社を設立して、ずんだ餅を広める船旅に出たいのだ!
たくさんの株主の支援を受けて、ビジネスという大海原を航海していくんですね。… 例えば、株式会社は、まるで… 大きなケーキ! たくさんの人が少しずつお金を出し合って(出資)、大きなケーキ(株式会社)を作り、みんなで切り分けて食べる(配当)んです。でも、ケーキは全部食べずに、少し残しておきましょうね(利益剰余金の処分)。将来、もっと大きなケーキを作るために!
どっかのアイドルが「若い女子が下ネタを言うのはケーキを常温で保存するようなもの」とか言ってたけど(う〇こ!w)、残しておいたら腐っちゃうよね。例えとしてはちょっと微妙ではないかな?
(ふたりともいったい何を言っているのだ・・・w)
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また、記憶を定着させるために、学習内容をご自身の言葉で要約しTwitter等に投稿してみましょう。
Twitterで投稿するには約90文字に要約する必要があり、重要論点のアウトプットを行うことでより記憶に残りやすくなります。
要約ついでにこのサイトも紹介してくれると嬉しいな!
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